キッチンに収納は必ず必要ですが、その中でもパントリーを取り入れたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
キッチンには食品や食器はもちろん、家電や非常食の置き場も必要です。
そのため、シンク下や食器棚だけでは納めきれない量になる場合や、来客時の人目が気になることもあるでしょう。
この記事では、パントリーについて、設置するメリット・デメリットや後悔を防ぐための注意点と解決策をまとめました。
パントリーを取り入れた間取り例と施工事例も紹介しているので、家づくりを進める際の参考にしてください。
パントリーとは
パントリーとは、食料品や調理器具など、主にキッチンで使用するものを保管するための収納です。
専用の収納を造ることでキッチンの使い勝手が良くなり、整理整頓も簡単で、来客時の見た目を気にする必要もなくなります。
ただし、一口にパントリーといってもメリット・デメリットがあり、広さや設置場所、形状などもさまざまです。
パントリーのメリット
パントリーのメリットは、大きく分けて以下の3点が挙げられます。
- 収納力がある
- キッチンが整理整頓しやすい
- 収納したものを探しやすい
メリット①
収納力がある
パントリーを設置することで、キッチン周りの収納力が充実します。
- 食品のストック
- 調理機器類
- 日用品
- 消耗品の備蓄
上記は一例ですが、パントリーがあればさまざまなものを一ヶ所にまとめてしまえます。
買い物は週に一度まとめ買いする人や料理が好きで色々な機材を持っている人などに、パントリーは特におすすめです。
メリット②
キッチンが整理整頓しやすい
パントリーがあれば十分な収納量を確保できるので、出しっ放しのものがなく、キッチン空間をきれいに保てるでしょう。
収納する際も、目線よりも高い・同じ・低いスペースを使い分けることで使い勝手が良くなります。
たとえば、高いところには保存期間が長いもの、もしくは期限がないものを置き、重たいものは落下すると危ないので避けましょう。
目線と同じ高さのスペースには、使用頻度の高いものや、期限が短いものを置くのがおすすめです。
目線よりも低いところは、安全面や出し入れのしやすさから、飲みものや家電機器類などの重たいものを置くのが適しています。
メリット③
収納したものを探しやすい
収納したものがすべて見えるので探しやすいのもパントリーの魅力です。
可動式の棚にしておくことで、入れたいものの高さに合わせて棚位置を調整し、よりキレイにスッキリとしまえるだけでなく、見つけやすく取り出しやすくなります。
また、カゴを使うことで種類別に分類でき、見た目もスッキリさせられるでしょう。
カゴについても取手付きのほうが取り出しやすく、中身が見えるもののほうが残量の確認もできます。
使い勝手の良さを高めることで、無駄な買い足しの防止にもつながるでしょう。
パントリーのデメリット
パントリーにはメリットがある一方で、以下の3つはデメリットになりやすいです。
- スペースを確保する必要がある
- パントリーを設置するのに費用がかかる
- 間取りの工夫が必要
デメリット①
スペースを確保する必要がある
パントリーを設けるということは、その分の面積を確保する必要があります。
建物の大きさや資金面などを見ながら、どの部屋にどれくらいの広さが必要か、優先順位を決めて検討しましょう。
パントリーと言ってもさまざまな種類があり、それぞれで必要なスペースも異なります。
どのくらいのパントリーが必要なのかでほかの部屋の大きさに影響してくる場合もあるため、全体的な間取りや広さとのバランスも考慮しましょう。
デメリット②
パントリーを設置するのに費用がかかる
パントリー用のスペースを確保するだけでなく、棚板の設置やラックの購入などを含めて、設置には費用がかかります。
棚の形状についても、L字型や二の字型の配列などで使い勝手や収納量も異なります。
さらに、「在庫管理がしやすいようにホワイトボードを設けた」「家事コーナーとしても使えるようにカウンターを設けたい」など、こだわればこだわるほど費用は追加でかかるものです。
ライフスタイルに合わせて棚の量を検討したり、広さを考えてみたりしましょう。
デメリット③
間取りの工夫が必要
パントリーは設置すれば便利になるわけではなく、生活動線や家事動線に合わせた間取りの工夫も必要です。
パントリーを設けるにしても、キッチンの横に収納庫として設置する場合もあれば、玄関や洗面室等、ほかの部屋とのつながりを持たせた形もあります。
家事動線の良さや隣接させたい部屋など、何を重視したいか明確にしたうえで、家全体の間取りを工夫することが大切です。
パントリーで後悔しないための幅と奥行き
パントリーの適切な広さは、ストック品や食器が多い、家電機器類が多いなど、各家庭の生活スタイルによって異なります。
- 壁付タイプ
- ウォークインタイプ
- ウォークスルータイプ
パントリーの形状には上記のようなタイプがあるので、それぞれの一般的な広さと特徴について詳しく解説します。
壁付タイプ
壁付タイプのパントリーの場合、広さは0.3帖くらいで、カップボードの並びで設置するような奥行きの浅い収納になります。
キッチン空間内に設置することが多く、調理しながらでもすぐしまえたり取り出したりしやすいという特徴があります。
ウォークインタイプ
ウォークインタイプのパントリーの広さは、1.5~2帖くらいにする人が多いです。
人が中に入って使用するパントリーで、収納量が多く、収納したものも見つけやすいのが特徴として挙げられます。
広い空間を利用して、一部カウンターを設けて家事コーナーとして使うこともできるでしょう。
ウォークスルータイプ
ウォークスルータイプのパントリーの広さは、2~3帖くらいが一般的です。
そもそもウォークスルータイプとは、出入口が2ヶ所あり、キッチンと別の部屋をつなげるような動線があるものです。
たとえば、洗面脱衣室と隣接させれば、料理をしながら洗濯ができるなど、家事動線を短くすることができます。
一方、キッチンと洗面脱衣室の位置が決まってしまうので、間取りに制約が出てしまうところには注意が必要です。
以下の記事で、家づくりの際にこだわってよかった収納に関して詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
【関連記事】こだわって大正解!お客様が満足している収納オプションTOP5
パントリーで後悔しがちな注意点と解決策
パントリーにはメリットがさまざまあり、設置を希望する人も多いですが、後悔する人が一定数いるのも事実です。
ここでは、パントリーで後悔しがちな注意点を3つピックアップしました。
- 生活動線を考慮しないとむしろ不便に感じる
- 生活感が丸見えになり得る
- 棚の数が足りない・使い勝手が悪い
それぞれの詳細と解決策を紹介しているので、理想の住まいをイメージする際の参考にしてみてください。
注意点
生活動線を考慮しないとむしろ不便に感じる
パントリーの設置には間取りの工夫が必須であり、生活動線を踏まえて設置しないとむしろ不便になる場合があるので注意が必要です。
たとえば、玄関から買い物の荷物を運ぶ際、パントリーがキッチンに向かう途中にあれば、重い荷物を最短距離で搬入できます。
逆に、玄関からキッチンに向かう奥側にパントリーを設けると、荷物の持ち運びに苦労するでしょう。
ほかにも、料理しながら洗濯や水回りの掃除などをしたいなら、家事動線を意識した間取りの設計が欠かせません。
憧れだけでパントリーを設置すると後悔する可能性が高まるので、気をつけてください。
解決策
使い方をシミュレーションする
パントリーを設置する場合は、どのように使いたいか具体化させたうえで、使い方をシミュレーションするのが重要です。
先述した買い物動線や家事動線など、さまざまなケースを想定し、どのような間取りにしたら使い勝手が最もよくなるか検討しましょう。
イメージが湧きづらい場合は、住宅会社で行っている完成見学会やモデルハウス見学もおすすめです。
実際に建っている家を見学しながら、どのような配置がベストかイメージしましょう。
注意点
生活感が丸見えになり得る
パントリーの設置で気をつけたいのが、生活感が出てしまいかねないことです。
食料品のストックや日用品、飲み物など、さまざまなものを一ヶ所にまとめて収納できる利便性の高さゆえに、雑多な印象が出る可能性は否めません。
収納する際のルールを明確にしたり、詰め込むような配置・収納はしないなどを徹底したりして、整理整頓を日頃から意識するのがおすすめです。
解決策
必要に応じて扉を設置する
さまざまなものを収納したあとの生活感が気になる場合は、扉の設置を検討してもよいでしょう。
扉をつけないほうが空間的な広がりが出やすいものの、収納されている様子が見えて雑多な印象が強まるのは避けたいところです。
半透明で扉のなかがうっすらと見えるようなタイプの扉にすれば、生活感が出るのを抑えつつ、中身を判別しやすくなるでしょう。
注意点
棚の数が足りない・使い勝手が悪い
間取りを意識してパントリーを設置したものの、棚の数が足りなかったり、収納量の過不足があったりして使い勝手が悪いケースもあります。
先述した使い方のシミュレーションに関連しますが、自分が毎日生活するなかで、「どこに・何を・どの程度収納するか」というところまで具体的にイメージするのがポイントです。
解決策
棚の高さは可動式にする
パントリーに設置する棚に関しては、高さを変えられる可動式がおすすめです。
人によって収納したいものや位置、高さも異なり、それぞれの状況に合わせて棚を調整できると、使い勝手はグッと高まります。
取り付けが容易な棚板であれば、場合によっては追加で設置することもできるでしょう。
パントリーを設けた間取り例
ここでは、パントリーを設けた間取り例を2つ紹介します。
- 中庭を囲む回遊できる平屋
- ゆったり快適に過ごせる平屋
間取り例①
中庭を囲む回遊できる平屋
こちらの間取りでは、キッチン・パントリー・洗面脱衣室が一直線に並んでいます。
キッチンで使用するものを取り出す際はもちろん、各種日用品を洗面脱衣室から取り出す際も便利です。
また、料理をしながら洗濯できる動線設計も優れているので、家事や育児に忙しい家庭におすすめしたい間取りといえます。
間取り例②
ゆったり快適に過ごせる平屋
こちらは、キッチンの横に1帖のパントリーを配置した間取り例です。
玄関からパントリーに向かうまでの動線もコンパクトで、買い物の荷物の搬入もしやすいでしょう。
パントリーに設置した棚は玄関方向から見えづらい位置にあり、生活感をうまく隠すこともできます。
以下の記事で、家事動線のよい間取りについて詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
【関連記事】家事動線の良い間取りのポイントとアイデア3選を施工事例つきで解説
パントリーのある家の施工事例
ここからは、当社で手がけたパントリーのある家の施工事例を5つ紹介します。
- 間接照明×勾配天井が開放的で落ち着く、収納力抜群の平屋
- 自分時間を充実できる書斎のある平屋の家
- 勾配天井×中庭のある生活動線にこだわった平屋の家
- 間接照明で雰囲気UP!板張りダイニングの平屋の家
- 「スキップフロア」×「勾配天井」×「お籠り和室」のある将来を見据えた家
施工事例①
間接照明×勾配天井が開放的で落ち着く、収納力抜群の平屋
キッチン横に設けたパントリーは広さが3.2帖あり、冷蔵庫もすっぽり収まります。
買ってきた食材はもちろん、炊飯器や電子レンジといった電化製品もまとめて収納できるので、キッチン周りは常にスッキリ。
生活感が出るのをできる限り抑えたい場合は、冷蔵庫も含めてパントリーに収納する方法もおすすめです。
施工事例②
自分時間を充実できる書斎のある平屋の家
こちらの家では、キッチンの奥に、調味料やストック品などを収納できる可動棚をつけたパントリーを採用。
さらに、パントリーの奥には造作のカウンターを設置しました。
カウンターでは、家事の合間にちょっとした書き物やパソコン作業などもでき、ながら作業に便利です。
カウンター上部に窓を設けたことで、明るい日差しを取り込める空間になりました。
施工事例③
勾配天井×中庭のある生活動線にこだわった平屋の家
この家では、玄関・土間収納・パントリー・キッチンが一直線にならぶ間取りとなっており、買い物の荷物を最短距離で収納できます。
写真左手の棚は可動式で、ものの高さに合わせて収納位置を調整可能。
冷蔵庫は可動棚の反対側に収納し、リビングダイニングから見えない位置に配置する工夫も参考になります。
施工事例④
間接照明で雰囲気UP!板張りダイニングの平屋の家
こちらでは、キッチンの背面にオープンタイプのパントリーを設けました。
ナチュラルカラーでまとめた可愛らしいキッチンで、造り付けの2段の棚とパントリー内の棚の高さを揃えることで、統一感を演出しています。
パントリーのなかに冷蔵庫を配置し、キッチン周りはスッキリとした印象です。
パントリー上部に取り入れたガラスブロックも、キッチンのアクセントになっています。
施工事例⑤
「スキップフロア」×「勾配天井」×「お籠り和室」のある将来を見据えた家
このお家では、キッチン・パントリー・玄関(土間収納)をつなげた間取りを採用。
玄関収納も充実しているため、「この荷物はここに置く」というルールづけもしやすいです。
パントリーの左手に棚を設置し、通路を挟んで右側には冷蔵庫を配置しました。
キッチン後方のカウンターも広々としたスペースがあり、キッチンでの作業も捗ります。
群馬で家を建てるならタカトーホーム
理想の家づくりを実現するには、自分たちの希望に優先順位をつけることも大切ですが、相性のよい住宅会社を見つけることも重要です。
実際に住宅展示場に足を運んだり、モデルハウスを見学したりして、担当者と話をしながら理想を叶えてくれそうか検討しましょう。
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まとめ
パントリーを設置して理想の家を実現
パントリーを設置するメリット・デメリットをおさらいしましょう。
メリット | デメリット |
・収納力がある ・キッチンが整理整頓しやすい ・収納したものを探しやすい | ・スペースを確保する必要がある ・パントリーを設置するのに費用がかかる ・間取りの工夫が必要 |
パントリーを設置する際は、実際の生活を具体的にシミュレーションして、どれくらいの広さが必要なのかはもちろん、各スペースとの位置関係や、棚の設置方法も含めて詳細に決めることが重要です。
この記事で紹介した間取り例や施工事例も参考にしながら、理想の家を実現させましょう。
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実際の家を見学しながら理想の住まいを明確にしたい方は、モデルハウスページをご覧ください。
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