注文住宅を建てるにあたって、好みの設備を導入できる施主支給を利用しようと考える方は少なくありません。
施主支給をうまく活用すれば、一般的な住宅会社では取り入れられない装飾の凝った設備を取り入れられたり、コストを抑えられたりする可能性があります。
一方で、あらかじめ把握すべきデメリットもいくつか存在するため、注意が必要です。
この記事では、施主支給のメリット・デメリットを詳しく解説します。
施主支給に向いているもの・向いていないものも解説しますので、施主支給を検討している方はぜひ参考にしてください。
施主支給とは
施主支給とは、住宅の設備や建材を施主様が選んで購入し、住宅会社や施工業者に提供して取り付けてもらう方法のことです。
通常は、住宅会社が設備や建材などを発注するため、取り入れられる設備や建材などには制限があります。
しかし、施主支給では施主様が購入できるので、好みのアイテムを選べます。
こうした特徴から、満足度の高い家づくりを実現しやすい点も人気の理由です。
コストを抑えたい方だけでなく、こだわりの設備を求める方にも選ばれる選択肢となっています。
施主支給をするメリット
施主支給のメリットは、以下の3つです。
- 好きなものや設備を取り入れられる
- コストを抑えられる可能性がある
- 家づくりに積極的に深く関われる
メリット①
好きなものや設備を取り入れられる
施主支給には、住宅会社の取引先に縛られず、施主様が自由に好みの設備や建材を選べるメリットがあります。
自力でアイテムを探すのは困難に感じるかもしれませんが、インターネット通販を活用すれば、国内外からそれぞれのニーズに応じた商品を探し出せます。
既存品はもちろん、特注品やハンドメイドのアイテムを取り入れることも可能なため、家づくりに対する満足度を高めやすいのも利点です。
細部までこだわりたい方にとって、施主支給は理想の住まいを実現するための効果的な手段となるでしょう。
メリット②
コストを抑えられる可能性がある
施主支給によって必要な資材を自ら調達することで設備や建材を安価に購入できる可能性があります。
住宅会社の中間マージンをカットできる点も、コストを抑えやすい理由の一つです。
中古品やアウトレット品を選択肢に入れれば、さらなるコスト削減が見込めるでしょう。
メリット③
家づくりに積極的に深く関われる
家づくりに積極的に深く関われる点も、施主支給ならではのメリットです。
施主様が自ら選んだ設備や建材を採用できるため、自分のこだわりを色濃く反映した住まいを実現できます。
設置作業そのものは住宅会社に任せられるので、負担が少なく、手軽に家づくりに関われるのもメリットといえます。
家づくりに積極的に関与すれば、住宅に一層愛着が湧き、理想の住まいを形にする楽しさを実感できるでしょう。
施主支給をするデメリット
施主支給には、以下3つのデメリットが存在します。
- 調整の手間がかかる
- 住宅会社の保証外になり得る
- 住宅ローンに組み込めない場合がある
デメリット①
調整の手間がかかる
施主支給では、必要な設備や建材を自ら選んで購入するため、商品の選定から納品までの手間がかかります。
さらに、購入した商品が問題なく使用できるかを住宅会社に確認する作業も欠かせません。
また、建築工程に合わせて商品搬入のスケジュールを調整する業務も、施主様の役割となります。
スケジュール調整がうまくいかなければ、施工全体に影響を及ぼし得るので、注意しなければなりません。
デメリット②
住宅会社の保証外になり得る
施主支給を通じて不具合が生じた場合、住宅会社の保証対象外となる場合があります。
問題が発生した際、責任の所在を明確にするのが困難な場合が多いため、注意が必要です。
なお、国内の信頼できるメーカー製品であれば、メーカー保証が適用される場合もあります。
そのため、施主支給で不具合が発生した際の対処や保証に関することは、住宅会社や設備・建材を取り寄せたメーカーに前もって確認しましょう。
デメリット③
住宅ローンに組み込めない場合がある
住宅ローンは通常、建物本体に関わる費用に対してのみ適用されるため、家具や一部の設備は対象外です。
施主支給で用意した建材等が住宅ローンの対象外になる場合は、自己資金で賄わなければなりません。
施主支給のアイテムをローンに組み込む際は金融機関の承認が必要ですが、手間がかかり現実的には困難なケースが多いです。
住宅ローンの利用を考えている場合は、金融機関にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
施主支給に限らず、注文住宅を建てる際は、いくつかの後悔しがちなポイントを前もって把握しておくとよいでしょう。
詳細は以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
【関連記事】注文住宅で後悔しがちなポイント5つと後悔しない家を造るポイント5つ
施主支給に向いているもの・向いていないもの
施主支給は、すべての設備や建材などに適しているわけではありません。
以下で、どのようなものが施主支給に向いている・向いていないのかを解説しますので、参考にしてください。
施主支給に向いているもの
施主支給に向いている主なアイテムは、以下のとおりです。
- 照明
- トイレットペーパーホルダー
- カーテン
- ポスト
- 表札
- エアコン
照明器具やトイレットペーパーホルダーなどのパーツ類は、万が一不具合が生じても簡単に取り換えられるため、施主支給に適しています。
パーツ類であれば自宅で保管できるため、スケジュール調整の手間が少ない点も施主支給に向いている理由といえるでしょう。
エアコンも、施主支給に適した設備の一つです。
しかし、設置場所が間取りに影響されるため、事前にエアコンの仕様や設置位置を住宅会社と相談する必要があります。
このように、比較的細かなものは施主支給に向いていますが、一つひとつの金額が小さいため、手間の割にコストを下げられない可能性があります。
手間と費用対効果を考慮したうえで、商品を選ぶことが大切です。
ただし、どのようなアイテムが施主支給に対応しているかは住宅会社によって異なるため、対応の有無や範囲については事前に確認しましょう。
施主支給に向いていないもの
施主支給に向いていないのは、簡単に交換できないものです。
たとえば、以下の設備や建材は後から交換するのが困難なため、施主支給には適していません。
- 柱
- 基礎
- 外壁材
- ユニットバス
- フローリング
- 建具
柱や基礎などと比較すると、ユニットバスは交換しやすいと感じるかもしれません。
しかし、施工には手間がかかるうえに、販売元によってはユニットバスを施工するために業者を派遣する場合があるため、現場が混乱する可能性があります。
また、フローリングの施主支給にも注意が必要です。
フローリングは安価で購入しやすく、コストを抑えやすい特徴がありますが、含水率が適正でない場合、将来的に床が変形するリスクがあります。
施主支給の流れ
施主支給の一般的な流れは、以下のとおりです。
- 住宅会社との間で役割分担・担当を決める
- 商品が適合するかを都度確認
- どの商品をどの程度用意するかの確認
- 納期や配送方法の確認
- 発注と支払い
- 配送の手配と日程調整
- 荷受けや搬入・一時保管
- 検品
まずは住宅会社を比較検討し、見積もりの際に施主支給を希望する旨を伝える必要があります。
次に役割分担を決め、商品が施工に適合するか、商品をどの程度用意する必要があるかを確認しながら、使用するアイテムを選びましょう。
発注と支払いを済ませたら、配送の手配と日程調整を進め、荷受けや搬入を実施します。
商品が届いた後は検品を行い、問題がないかを確認しましょう。
なお、家づくり全体の流れに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
【関連記事】家づくりの流れ10ステップと建築期間についてわかりやすく解説
タカトーホームは施主支給に対応
タカトーホームでは、施主様がこだわりを持って家づくりに参加できるように、施主支給に対応できる体制を整えています。
ただし、施主支給の詳細や具体的な対応範囲については、事前に確認していただくことが必要です。
施主支給について、詳細が知りたい方やご質問がある場合は、当社のお問い合わせフォームよりご相談ください。
当社が手掛けてきた住宅を見てみたい方は、施工事例ページをご覧ください。
まとめ
施主支給をうまく活用しよう
施主支給では、ご自身で設備や建材を選べるため、コストパフォーマンスを重視したり、とにかく品質にこだわったりなど、自由度の高い家づくりが可能です。
しかし、調整に手間がかかる点や保証対象外となるリスクがある点は、デメリットとして理解しておかなければなりません。
施主支給は、照明器具やカーテンなど、交換しやすいパーツ類には適しています。
しかし、後から交換するのが難しい基礎や外壁材などには向いていない点に注意しましょう。
理想の家を実現するためには、モデルハウス見学などを通じて、実際の設備やデザインを確認し、じっくりと検討することが大切です。
モデルハウスページから見学予約を行えますので、ぜひお気軽にご参加ください。
さらに、タカトーホームでは体験型ショールームなどのさまざまなイベントも実施しています。
詳しくは、イベント情報ページをご覧ください。
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