塗り壁として使用される素材の代表例が、珪藻土や漆喰です。
言葉は聞いたことがあるものの、珪藻土や漆喰にはどのような違いがあるのか、それぞれの特徴が何であるかなどを正しく理解できている人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、塗り壁の中でも特に人気の珪藻土と漆喰について、両者の違いを一覧表にして具体的に解説しています。
珪藻土と漆喰の特徴やそれぞれを使用するメリット・デメリット、使用が向いている場所もまとめました。
「塗り壁にしたいけど、どの素材にすればいいか迷っている」という方は、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。

珪藻土と漆喰の違い一覧

珪藻土と漆喰の違いを一覧表にまとめました。
珪藻土 | 漆喰 | |
原料 | 珪藻頁岩 (海中の藻類が化石になり堆積したもの) | 消石灰 (石灰石を焼き、水・のり・繊維を加えたもの) |
自硬性 | × | 〇 |
調湿効果 | ◎ | △ |
消臭効果 | ◎ | 〇 |
耐火性 | ◎ | ◎ |
耐久性 | 〇 | ◎ |
抗菌・防カビ | 〇 | 〇 |
ホルムアルデヒドの分解 | 〇 | 〇 |
外壁使用 | × | ◎ |
施工費用 | 手間はあまりかからなく安価 | 手間がかかるため高価 (本漆喰の場合) |
マイナスイオンの発生 | ◎ | △ |
質感 | ザラザラした手触り | ツルッとした手触り |
カラーバリエーション | 豊富 | 基本は白 |
代表的なもの | 七輪・耐火レンガ | お城の外壁・グラウンドの白線 |
なお、上記はあくまで一般的な見解であり、当社で使用している稚内珪藻土の効果とは異なる場合もあります。
家づくりで珪藻土や漆喰を用いたい場合は、住宅会社で採用している素材の特徴を確認してみてください。
珪藻土と漆喰の最大の違いは原料

珪藻土と漆喰は塗り壁を中心にさまざまなところに使用されていますが、原料が根本的に異なります。
珪藻土
ケイ素(珪素)
珪藻土は漢字からもイメージがつくように、海中の海藻(植物性プランクトン)が化石になって積み重なることでできた土です。
珪藻土の主成分はケイ素(珪素)で、素材の性質上、非常に細かい穴が無数に開いています。
珪藻土特有の穴があるおかげで、さまざまな効果をもたらすのが大きな特徴です。
珪藻土はカラーバリエーションも豊富で、住宅会社によっては複数の色合いから好みの色味を選択できるのも特徴の一つとして挙げられます。
漆喰
水酸化カルシウム(消石灰)
漆喰は水酸化カルシウム(消石灰)が主原料です。
漆喰は、石灰石(炭酸カルシウム)を高温で熱した後に冷却し、水・のり・繊維を加えて練り上げることで生成されます。
珪藻土と漆喰は原料が異なる点で、特徴にも違いが出てきます。
中でも、自硬性と呼ばれる自ら固まる性質を持っているかどうかは、より身近な違いの一つです。
- 漆喰:空気中の二酸化炭素と反応して固まる
- 珪藻土:固化剤を混ぜて壁材などに使用する
珪藻土と漆喰の違いを理解するにあたっては、前提として原材料が異なることを押さえておきましょう。
珪藻土と漆喰の特徴

珪藻土と漆喰の主な特徴は下表のとおりです。
珪藻土 | 漆喰 | |
特徴 | ・調湿効果 ・消臭効果 ・耐火性能 ・ホルムアルデヒドの抑制 ・マイナスイオンを発生させる ・セルフメンテナンスが可能 | ・耐久性 ・調湿効果 ・消臭効果 ・耐火性能 ・ホルムアルデヒドの抑制 |
以下、珪藻土と漆喰の特徴について、より詳しく解説します。
珪藻土の特徴
珪藻土は海藻の一種である珪藻の殻が主な材料となっており、耐火レンガの原料や七輪、バスマットなどにも使用されています。
珪藻土には無数の小さな穴が開いており、天然の多孔質材料として有名です。
多孔質である特徴を活かして、空気中に余分な水分があれば取り込み、乾燥したときには湿気を放出します。
珪藻土の場合、湿度が70%以上になると吸湿し、40%以下になると放湿すると言われており、高い調湿機能は大きな特徴の一つとして挙げられます。
さらに、消臭効果も期待でき、室内の空気を綺麗に保ちやすくなるのも大きな特徴。
部屋干しの際には調湿機能と消臭効果の恩恵を受けやすく、天候を問わず洗濯できます。
ほかにも、珪藻土は熱伝導率が低いため、耐火性が高いところも特徴的です。
ただし、固化剤の材質によっては細かな穴を塞いでしまうため、性能が落ちることもあるため気をつけてください。
ホルムアルデヒドの抑制に関しても同様で、珪藻土の生成過程で化学物質を使用した場合には効果が薄れます。
一口に珪藻土と言っても細かな特徴は住宅会社によって異なるため、詳細は担当者などに確認してみましょう。
タカトーホームは素材にこだわった家づくりが自慢です。
珪藻土や漆喰に関してもお気軽にご質問ください。
当社の家づくりへのこだわりは、「タカトーホームの想い」からご確認いただけます。
漆喰の特徴

漆喰ならではの特徴として、耐久性の高さが挙げられます。
漆喰はお城の外壁に使用される建材であり、耐久性があることは歴史的にも証明されています。
地震などでひび割れが発生する可能性はあるものの、長時間経過しても見た目の変化はほとんどないのも大きな特徴です。
また、漆喰も珪藻土と同様、湿気を吸い込む調湿効果があります。
ただし、珪藻土ほどの効果は期待できないため、調湿効果で比較するなら珪藻土がおすすめです。
さらに、漆喰にも消臭効果や耐火性能を期待でき、室内環境を綺麗に保ちやすくするだけでなく、火事が起きた際の被害も最小限に抑えられます。
加えて、漆喰の場合、塗り固まる過程でホルムアルデヒドを吸着して分解する性質があるため、シックハウス症候群の発症リスク低減にも役立つでしょう。
珪藻土と漆喰に共通する特徴
珪藻土と漆喰に共通する特徴には以下が挙げられます。
- 自然由来の素材を原料としている
- 調湿・消臭効果、耐火性能が高い
- ホルムアルデヒドを抑制できる
珪藻土と漆喰のいずれも自然素材を原料としているため、調湿・消臭効果や高い耐火性能を期待できる点は共通する特徴です。
ホルムアルデヒドの抑制に関しては、固化剤などに天然素材を使用するか、化学合成されたものを使用するかによって効果の度合いは異なります。
メーカーや商品によって成分の由来はさまざまなので、詳細は住宅会社に確認してみてください。
珪藻土を使用するメリット・デメリット

珪藻土の使用には、メリットもあればデメリットもあります。
以下で珪藻土を使用するメリット・デメリットを解説するので、両側面を踏まえて採用の可否を検討しましょう。
珪藻土を使用するメリット
珪藻土を使用するメリットには、以下が挙げられます。
- 漆喰よりも調湿効果を期待できる
- 消臭効果がある
- 耐火性がある
- マイナスイオンの発生も期待できる
珪藻土は小さな穴が無数にある多孔質な性質が最大の特徴であり、大きな調湿効果を期待できます。
加えて、消臭効果も同時に期待できるので、トイレ・キッチン・ペットなど、においが気になる空間に珪藻土はピッタリです。
ほかにも、珪藻土にはマイナスイオンが発生する旨の研究結果も出ており、室内にいながら滝の近くや森林などの中と同様の空間を再現できます。
空気清浄効果やストレス軽減効果、リラックス効果を期待できるのも、珪藻土ならではのメリットです。
珪藻土を使用するデメリット
珪藻土の使用には、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。
- こすれたり、ぶつけたりすると削れて掃除の手間がかかる
- 水拭きできず、汚れが付くとシミになる場合がある
自然素材であるが故に、吸湿し過ぎた状態のままではカビが発生する可能性があったり、劣化すると剥がれ落ちたりする点はデメリットと言えます。
また、汚れが付着した際、水拭きできない点にも注意が必要です。
汚れを落とせず、場合によってはシミになることもあり、汚れがつきやすい箇所での使用は控えたほうがよいでしょう。
珪藻土の産地により、メリットとされる効果が得られない場合があるので、素材選びには注意が必要です。
タカトーホームで採用している稚内珪藻土は、体に優しく、効果を得ることが期待できます。
珪藻土の使用に関するメリット・デメリットは、以下の記事でも詳しく解説しています。
【関連記事】珪藻土を塗り壁材に使うと後悔する?メリット・デメリットを解説
漆喰を使用するメリット・デメリット

ここでは、漆喰を使用するメリット・デメリットを解説します。
珪藻土との違いも踏まえて、どの素材を使用すべきか、自身の状況や優先事項に当てはめながら検討してみてください。
漆喰を使用するメリット
漆喰を使用するメリットは以下の通りです。
- 耐久性が高い
- 耐火性がある
- 一定程度の調湿効果がある
- 抗菌性を期待できる
漆喰は耐久性の高さが優れているため、外壁として利用するなら特におすすめです。
加えて、耐火性もあるので、火事の被害を最小限に抑えるのはもちろん、住宅密集地に建物を建築する予定であれば、漆喰は有力な選択肢になるでしょう。
また、珪藻土ほどではないものの、漆喰にも一定程度の調湿効果と消臭効果があります。
抗菌性も期待できるので、自然素材を使って健やかな毎日を過ごしたい方にはメリットが大きいと言えるでしょう。
漆喰を使用するデメリット
漆喰の使用には以下のデメリットもあります。
- 施工に手間がかかる
- 施工費用が高価な場合がある
- 経年変化で細かいヒビが入る場合がある
漆喰の中でも本漆喰を採用する場合、施工の手間がかかるだけでなく、費用が高価なこともあります。
施工技術によって品質に差が出やすい点も、漆喰を使用するデメリットになるでしょう。
また、経年変化によって細かいヒビが入ることもあります。
耐震強度などに影響を及ぼすわけではありませんが、見た目の変化が気になり得る点はデメリットになるでしょう。
注文住宅を建てる際は、後悔や失敗例から学ぶことも大切です。
以下の記事では、注文住宅で後悔しがちなポイントを具体的に解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
【関連記事】注文住宅で後悔しがちなポイント5つと後悔しない家を造るポイント5つ
住宅で珪藻土や漆喰が向いている場所

珪藻土や漆喰を使用するメリット・デメリットを把握できたとしても、住宅のどこに用いるのが適切か分からない人もいるでしょう。
ここでは、住宅で珪藻土や漆喰が向いている場所をまとめました。
自分の家づくりをイメージしながら、どのスペースに何を使うべきか考えてみてください。
珪藻土が向いている場所
珪藻土は調湿・消臭効果があったりマイナスイオンを発生させたりするため、どの部屋に取り入れても一定の効果を得られます。
中でも、珪藻土の使用を特におすすめしたい場所は以下の5つです。
- LDK
- トイレ
- 洗面脱衣所
- 玄関(収納含む)
- ベッドルーム
家族が集まり、滞在時間が長くなるLDKは、生活臭が最も出やすい場所とも言えます。
焼き肉やカレーなどのにおいが残りやすい料理を食べても、壁紙に珪藻土を使用することで、翌日にはにおいがほとんど気にならなくなります。
ペットを飼っているご家庭ではペット臭がこもりにくく、友人・知人などを気兼ねなく招待できるでしょう。
ほかにも、トイレや洗面脱衣所は、においがこもるのを特に避けたいスペース。
湿気が気になりやすい洗面脱衣所に珪藻土を取り入れれば、ジメジメした季節に室内干しをしても生乾き臭がないうえに、洗濯物がカラッと乾くのでおすすめです。
同様に、においがこもるのを防ぎたいスペースとして玄関が挙げられます。
珪藻土は消臭効果が期待できるので、靴のにおいを軽減し、急な来客の際にも安心して迎え入れることができるでしょう。
さらに、ベッドルームに珪藻土を取り入れれば、綺麗な空気の中で睡眠できるだけでなく、シックハウス症候群を抑制するため、アレルギー持ちのお子さまでも安心して眠ることができます。
漆喰が向いている場所
漆喰は、外壁材として使用するのが最も向いています。
珪藻土に比べて漆喰のほうが耐久性は高く、耐火性も期待できるため、漆喰は古くからお城や寺などの日本建築の外壁として使用されてきました。
漆喰も内装に取り入れられますが、調湿・消臭効果は珪藻土のほうが優れています。
機能性の観点では、内装に使用するなら珪藻土のほうがおすすめです。
珪藻土と漆喰のどちらを選べばよいのか

珪藻土と漆喰のどちらを選べばよいかは、家づくりにおいて重視したい条件や項目などによって異なりますが、以下のような基準で選んでみてもよいでしょう。
- 湿気の多い場所やにおいが気になる場所には珪藻土
- 塗り壁独特の風合いを楽しみたいなら珪藻土
- 外壁として使用するなら耐久性の高い漆喰
- 滑らかな質感を重視するなら漆喰
どちらも自然素材を原料としており共通点も多いですが、特徴がより顕著な項目は異なります。
珪藻土と漆喰のどちらを使用すべきか迷ってしまう場合は、珪藻土や漆喰を採用している住宅会社のモデルハウスや住宅展示場を見学して、実際の見栄えや質感などをチェックするのもおすすめです。
タカトーホームでは、全棟の壁・天井に珪藻土の塗り壁を採用しております。
珪藻土を実際に体感できるショールームのご案内はこちらから。
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モデルハウスではさまざまなスタイルをご覧いただけます。
気になる方はモデルハウスページをご覧ください。
家づくりの疑問は専門家に質問しよう
家づくりの過程では疑問点がつきものです。
気になることがあれば、住宅会社の担当者に都度質問して解決しましょう。
タカトーホームでは、「ココロとカラダにやさしい家をつくる」をモットーに、珪藻土や無垢材などの自然素材を取り入れた家づくりをしています。
珪藻土や漆喰の違いを詳しく知りたい方はもちろん、自然素材を取り入れた家づくりを進めたい方は、当社までお気軽にお問い合わせください。
当社の家づくりへのこだわりは、「タカトーホームの想い」からご確認いただけます。
まとめ
珪藻土と漆喰の違いを理解しよう

珪藻土と漆喰はそもそも原材料が異なり、材質の違いに基づいて特徴に差が出ます。
珪藻土と漆喰の違いをおさらいしましょう。
珪藻土 | 漆喰 | |
原料 | 珪藻頁岩 (海中の藻類が化石になり堆積したもの) | 消石灰 (石灰石を焼き、水・のり・繊維を加えたもの) |
自硬性 | × | 〇 |
調湿効果 | ◎ | △ |
消臭効果 | ◎ | 〇 |
耐火性 | ◎ | ◎ |
耐久性 | 〇 | ◎ |
抗菌・防カビ | 〇 | 〇 |
ホルムアルデヒドの分解 | 〇 | 〇 |
外壁使用 | × | ◎ |
施工費用 | 手間はあまりかからなく安価 | 手間がかかるため高価 (本漆喰の場合) |
マイナスイオンの発生 | ◎ | △ |
質感 | ザラザラした手触り | ツルッとした手触り |
カラーバリエーション | 豊富 | 基本は白 |
代表的なもの | 七輪・耐火レンガ | お城の外壁・グラウンドの白線 |
珪藻土と漆喰のどちらを用いるかは、家づくりにおいて何を重視したいかや、見た目・質感の違いなどから検討するのがおすすめです。
珪藻土と漆喰の違いを正しく理解して、理想の家づくりを実現していきましょう。
タカトーホームでは稚内珪藻土を使用しており、体に優しい空気の綺麗な家づくりをしています。
当社でどのような家を建てられるか気になる方は、モデルハウスページからお近くのモデルハウスをお探しの上、お気軽にご来場ください。
また、当社では家づくりに不安がある方に向けて、定期的にイベントを開催しています。
開催予定のイベントはイベント情報ページにまとまっているので、興味のあるイベントがあればお気軽にご参加ください。
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