2階建てであれば必ず設ける階段。
平屋でも、ロフトがある場合などには設けることがあります。
設置する場所はさまざまですが、家の中心的な役割を担うリビングの一角に設けることで、より印象的なイメージを演出できる「リビング階段」は人気の高いアイテムです。
ここでは、リビング階段のメリット・デメリットなどの実例をあげながらご紹介していきます。
リビング階段とは
リビング階段とはリビングと併設して、あるいはリビングの一部に設けられた階段のことをいいます。
依然として玄関まわりに階段を設ける例も数多く、それはそれでメリットはありますが、ライフスタイルや優先したい事柄によってはリビングと階段を積極的に絡めて一体空間として創り込んでいくことにより、機能面でもデザイン面でも面白い効果が期待できます。
もちろんそこにはメリットやデメリットが存在しますので、次からそのご説明をさせて頂きたいと思います。
リビング階段のメリット4つ
メリット①
吹き抜けとの組み合わせで開放感あるリビングになる
階段はそもそも天井が抜けており、吹き抜けになっていることが多いです。
ただ、幅が廊下程であったりするので煙突のような状態になり、あまり開放感があるとは感じにくいですが、吹き抜けのあるリビングと接すると見上げた視界も広がるため、とても開放感のあるリビングになります。
メリット②
家族とのコミュニケーションが増える
リビング階段にする事で、1階と2階の行き来をする際、必ずリビングを通るので家族が顔を合わせる機会が増えます。
また、1階から2階へ声が届きやすく気配も感じやすいので、コミュニケーションがとりやすくなります。
メリット③
家族の外出・帰宅が把握しやすい
階段のある2階建ての家だと、自室が2階にあることも多いでしょう。
リビング階段だと必ずリビングを通って外出し、リビングを通って自室へ行くので生活のリズムが見えます。
玄関から部屋へ直行し、家に居るのか居ないのか分からないということはなくなります。
「いってらっしゃい」「おかえり」の声掛けがしやすいのも嬉しいですね。
メリット④
デザイン性が高い
リビング階段ではスリット階段を採用される方も多いです。
踏板(階段の足で踏む板の事)や、ささら桁(踏板を支える板)、手すりにも種類がたくさんあります。
アイアンや木を使ったものもあり、リビングのアクセントにもなるような、オシャレでオリジナリティのある階段を造ることもできます。
リビング階段のデメリット3つとその対策
デメリット①
冷暖房効率が悪い
空間が広くなるため、冷暖房効率が悪くなる傾向があります。
特に冬場は、暖められた空気は高い所へ行き、2階の冷気が降りてくるので寒くなる可能性があります。
【対策】
高気密・高断熱の工務店を選ぶ&階段にドアをつける
高気密・高断熱の住宅であれば空気の循環がスムーズになり、室内での温度差を低くする事ができます。
また、階段の下にドアを付ける事で空間を仕切り、冷暖房効率を上げる事もできます。
【関連記事】高気密高断熱住宅で後悔しないポイント3つ | メリットも解説
デメリット②
2階に匂いや音が広がりやすい
声が届きやすい反面、音や匂いが広がってしまうといった所もあります。
テレビの音やキッチンの水の音などが届いてしまったり、料理の匂いが2階までのぼってしまう事があります。
【対策】
防音の壁やドアを設置する&集煙性能を高める
防音の壁やドアを設置する&集煙性能を高めるリビングと、空間のつながる2階ホールに面する部屋の壁やドアの防音性能を上げる事により、音の問題を軽減する事ができます。
防音性能にはレベルがあるため、どの程度を求めるかにより方法が異なります。
また、キッチンのレンジフードの集煙性能を高め、匂いを広がりにくくするという対策も良いと思います。
デメリット③
プライベートの確保が難しい
家族のコミュニケーションがとりやすい反面、顔を合わせたくない時でも必然的に顔を合わせなくてはなりません。
また、リビングへの来客中に階段を降りる際には気を遣う、という場面もあるかもしれません。
【対策】
リビングや間取りを工夫する
リビング階段といっても様々なパターンがあります。
来客に見えずらい方向に階段の折口を向ける、2階にも洗面台やトイレを設置するなど、欲しい気配と避けたいシチュエーションを設計士と話し合い、間取りを工夫すると良いでしょう。
リビング階段の実例を3つ紹介
実例①
リビング階段×ロフトのあるヴィンテージ感漂う平屋
リビングの入口から階段の上り口に至るまでの間にやや長めに動線をとることで、階段の利用者がリビングとの接点をより大きく感じることができるプランです。
4段目までをひな壇納まりにすることで、リビングに対して適度に解放され、またインテリアのアクセントとしても面白い効果が出ています。
実例②
無垢床×勾配天井×板張りリビングが魅力的な重厚感のある家
平面図上ではオーソドックスな1坪の回り階段ですが、下の4段をひな壇納めにすることでリビングとの一体感が生まれ、デザイン的にも面白みが出ています。
階段を降り切った正面を壁ではなく格子にすることで適度に視線が抜け、実際の面積以上に広がりを感じることができます。
実例③
板張りと間接照明が映えるカフェスタイルの家
こちらはデザイン的にはあまり目立たせずに、機能を重視したリビング階段です。
階段の利用者がキッチンの正面を通過していくため、家族の帰宅などが把握しやすく、対話も自然に生まれます。
階段下の物入は、リビングから使えるようにレイアウトが可能であるのも、リビング階段のメリットのひとつです。
リビング階段について解説しました
今回はリビング階段についてご説明させていただきました。
メリットを知るのはもちろんですが、軽視することができないデメリットもありますので、よく知った上でうまくプランに取り込み、理想の家を実現させてください。
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