家づくりを進めるなかで、「屋根の形にはどんな種類がある?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
一口に屋根といってもさまざまな種類があり、それぞれに異なる特徴を持っています。
デザイン性だけで屋根を決めると、「メンテナンス費用が想像以上にかかった」と後悔する可能性もあり、理解を深めておくことが重要です。
そこでこの記事では、新築住宅によく使われる5種類の屋根の特徴を解説します。
屋根の形を選ぶポイントについても紹介するので、家づくりの参考にしてください。
戸建て住宅の屋根の形や種類はさまざま
戸建て住宅の屋根の形にはさまざまな種類がありますが、基本的な役割は以下の通りです。
- 直射日光や雨風をしのぐ
- 台風・地震などの自然災害から家族を守る
- 外見のデザイン性を高める
- 住宅内の温度を適温に保つ
本来は雨風をしのぐことが役割でしたが、デザイン性や機能性を備えた屋根が増えています。
また、近年では太陽光発電の設置場所としての役割を果たしており、さらに用途が広がっているのも特徴です。
屋根の形によって特徴が異なることから、目的に合った最適なタイプを選ぶ必要があります。
住宅に使われるおもな屋根の形と特徴
住宅に使われるおもな屋根の形は、以下の通りです。
- 切妻(きりづま)屋根
- 寄棟(よせむね)屋根
- 方形(ほうぎょう)屋根
- 片流れ屋根
- 陸(ろく)屋根
それぞれの特徴について解説するので、求める機能性やデザイン性と照らし合わせながらチェックしてみてください。
切妻(きりづま)屋根
切妻(きりづま)屋根とは、本を開いて逆さにかぶせた形状の屋根で、中心の大棟から左右に屋根が下がっています。
いわゆる三角屋根のことで、一般的によく見られる形状です。
神社に使用されるなど、古い時代から存在する屋根であり、「切屋根」「真屋」とも呼ばれます。
切妻屋根は勾配によって面積が異なり、勾配がきつくなればなるほど面積が増えます。
切妻屋根の特徴
切妻屋根のデザイン面の特徴は、以下の通りです。
- 温かみがある
- さまざまなデザインに合う
切妻屋根はシンプルな見た目のため、和風・洋風・モダンなど、アイデア次第でさまざまなデザインに合わせられます。
また、切妻屋根のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・雨漏りなどトラブルが少ない ・初期の施工費用が安く済む傾向にある ・メンテナンス費用も抑えられる | ・紫外線や風雨で傷みやすい ・個性を出しにくい |
切妻屋根は構造がシンプルで、初期の施工費用が安く済む傾向にあり、施工不良のリスクも回避できます。
メンテナンス費用も抑えられることから、リーズナブルに住宅を建てたい方におすすめです。
ただし、普及しているデザインなので個性を出しにくく、デザイン性を高めたい場合には素材やカラーにこだわりましょう。
寄棟(よせむね)屋根
寄棟(よせむね)屋根とは、中心の大棟から4方向に向かって傾斜している屋根のことです。
切妻屋根同様に古くからある一般的な形状で、東大寺大仏殿などの寺院にも採用されています。
屋根を上から見ると、台形が2つ・三角形が2つで構成されているのが特徴です。
寄棟屋根の特徴
寄棟屋根のデザイン面の特徴は、以下の通りです。
- どの方向から見てもバランスがよい
- 和風と洋風の両方に合う
- 落ち着きを感じられる
寄棟屋根は4方向に広がっていることから、どの方向から見てもバランスがよく、比較的どのような場所にでも利用できます。
また、寄棟屋根のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・耐久性に優れている ・風雨の影響を分散できる ・場所を選ばずに建てられる | ・太陽光発電の設置場所が限られる ・雨漏りの可能性がある |
4方向に屋根があるため、外壁の部分的な劣化を予防したり、風雨の影響を分散できます。
寄棟屋根は高くなりすぎないので、北側斜線制限などの制限を受けにくく、場所を選ばずに建てられるのもメリットです。
ただし、接続部分が多く雨漏りの可能性が高くなるため、定期的なメンテナンスが必要になります。
方形(ほうぎょう)屋根
方形(ほうぎょう)屋根とは、ピラミッド型をした屋根のことで、正方形の建物に多く見受けられます。
住宅を上から見ると4方向に向かって傾斜しているため寄棟屋根に似ていますが、中心の大棟がないところが大きく異なる点です。
また、寺院などに見られる六角形や八角形の屋根も方形屋根となります。
方形屋根の特徴
方形屋根のデザイン面の特徴は、以下の通りです。
- 温かみがある
- 和風にも洋風にも合う
寺院などの和風の建物はもちろん、洋風の建物にも多く用いられており、両方にマッチしやすいのがポイントとなります。
また、方形屋根のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・雪下ろしがしやすい ・構造を頑丈にしやすい ・風雨の影響を分散できる | ・屋根の内側の湿気を逃しにくい ・正方形の住宅以外は施工が難しい |
雨風はもちろん、雪も4方向にバランスよく分散できるため雪下ろしがしやすく、寒冷地に向いている屋根だといえます。
寄棟屋根よりは雨漏りがしにくいものの、湿気を逃しにくいことから劣化しないように注意が必要です。
片流れ屋根
片流れ屋根とは、その名の通り片側に傾斜している屋根のことで、スタイリッシュな見た目から人気を集めています。
切妻屋根や方形屋根のように屋根は2面や4面で構成されているケースも多いですが、片流れ屋根は1面で構成されているのが特徴です。
近年では、平屋や2階建てなど階数に関係なく、取り入れるケースが増加しています。
片流れ屋根の特徴
片流れ屋根のデザイン面の特徴は、以下の通りです。
- スタイリッシュでモダンな印象にできる
- 非対称でデザイン性が高い
- 個性を出しやすい
片側に傾斜のついた見た目はスタイリッシュでモダンな印象にでき、個性を出しやすいのがメリットになります。
また、片流れ屋根のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・屋根裏スペースを活用できる ・太陽光発電を取り付けやすい ・施工費用が抑えられる | ・雨漏り対策が必要になる ・強風の影響を受けやすい |
屋根の方向によっては効率よく太陽光発電を運用できるため、エコな住宅を実現したい方にも向いています。
ただし、片側だけに傾斜していることで、強風の影響を受けやすいのがデメリットです。
勾配天井について理解を深めたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】平屋の勾配天井とは?後悔しないためにメリット・デメリットを徹底解説
陸(ろく)屋根
陸(ろく)屋根とは、傾斜のない平坦な屋根のことで、「平屋根」「フラット屋根」と呼ばれるケースもあります。
ビルやマンションなどでよく見受けられますが、片流れ屋根同様にスマートな見た目なので近年では戸建て住宅においても人気です。
なお、屋根には雨水を排水するためのわずかな傾斜が設けられています。
陸屋根の特徴
陸屋根のデザイン面の特徴は、以下の通りです。
- シンプルでスタイリッシュな見た目にできる
- 洋風建築の雰囲気にできる
屋根がフラットな陸屋根は外観がキューブ状になっており、直線的でスタイリッシュな見た目にできます。
また、陸屋根のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・屋上としても活用できる ・太陽光発電を取り入れやすい ・メンテナンス費用が比較的安い | ・排水性が低い ・定期的に防水塗装をする必要がある |
傾斜のない陸屋根は屋上としても活用できるため、ガーデニングやバーベキューをするなど幅広く利用できます。
ただし、排水性が低くなりがちなので、定期的な防水塗装が必要になることから注意しましょう。
新築住宅の屋根の形を選ぶポイント
新築住宅の屋根の形を選ぶポイントは、以下の通りです。
- デザイン性
- 立地条件
- メンテナンス性
- 初期の施工費用
屋根の形は外観の印象を左右するので、どのような見た目になるか施工事例などからイメージしておきましょう。
立地条件によっては適さない種類もあり、日当たりや法的な制限を踏まえて形を決めましょう。
デザイン性・実用性・価格のバランスをとりながら、屋根の形を決めると失敗を回避できます。
家づくりの全体の流れを確認したい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】家づくりの流れ10ステップと建築期間についてわかりやすく解説
理想の家づくりのためにできること
理想の住まいを実現するには、施工事例からチェックして屋根の形をイメージしたり、モデルハウスなどに足を運ぶことが重要です。
タカトーホームでは、お客さまの施工事例を数多く掲載しています。
屋根の形を踏まえてさまざまな住宅の家づくりをチェックしたい方は、施工事例ページをご覧ください。
また、コンセプトが違うモデルハウスや家づくり体感型ショールームを公開しています。
実物を見ながら検討したい方は、モデルハウスの来場予約やショールームの来場予約をご覧ください。
まとめ
屋根の形を理解して理想の家をイメージしよう
屋根には直射日光や雨風をしのいだり、自然災害から家族を守るなどの役割を持っています。
住宅に使われる主な屋根の形には、切妻屋根や寄棟屋根などの種類があり、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
屋根の形を決める際には、デザイン性・メンテナンス性・価格のバランスを重視しましょう。
屋根の形を含めて家づくりを勉強したい方は、タカトーホームが開催する家づくりセミナーをチェックしてみてください。
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