年齢を重ねると階段の上り下りが大変になったり、コンパクトながら快適な住まいに憧れたりするケースは多いものです。
老後の住まいとして平屋は人気がある一方、一人暮らしの場合、各スペースの広さや部屋数の他にも、平屋の建築にまつわるさまざまな注意点があります。
この記事では、シニア世代の一人暮らしにおすすめの平屋の間取り例をご紹介します。
シニア世代が平屋を建てる際のポイントや、一人暮らしで平屋に住むメリット・デメリットもまとめました。
快適な住まいを実現したい方はもちろん、平屋の一人暮らしで失敗したくない方は、本記事の内容をぜひ参考にしてください。

老後の一人暮らしにシニア向け平屋の間取りが適している理由

老後の一人暮らしにシニア向け平屋の間取りが適している理由は、生活に不便さを感じず安心して暮らせる動線設計が可能なためです。
高齢になると、加齢に伴い身体的な変化があります。
例えば、足腰の衰えにより転倒リスクが高まります。
また、トイレへ行く頻度が増えて移動に負担がかかるケースも少なくありません。
シニア向け平屋は、寝室とトイレ、浴室などを近くに配置する設計が多い傾向にあり、移動の負担を抑えられます。
バリアフリー設計にも対応しやすいため、介護が必要になっても不便さを感じにくいでしょう。
コンパクトな暮らしがしやすいという理由から、老後は生活動線が短く、ワンフロアで生活できる平屋の間取りが選ばれています。
シニア向けの平屋一人暮らしの間取り例
シニア向けの平屋一人暮らしにおすすめしたい間取り例を5つご紹介します。
- 玄関を挟んで居住スペースを分けたコの字の家
- 陽の光がたっぷり入る、南側に寝室を設けた家
- ゆとりを持った設計で毎日を快適に送れる家
- 動線を一直線に配置した家事効率の良い家
- 家の真ん中にLDKを配置した暮らしやすい家
間取り例①:玄関を挟んで居住スペースを分けたコの字の家

こちらの延べ床面積20坪の間取りは、玄関と廊下を中央に配置して居住空間を2つに仕切っている点が特徴的。
LDKと寝室・水回りが分かれているので、生活にメリハリが生まれやすくなります。
LDKは約16帖あり、一人暮らしであれば十分な広さです。
寝室とトイレの距離も近いので、就寝中の移動も容易です。
室内物干しのスペースがあるだけでなく、洗濯機から外干しスペースへのアクセスも優れているので、スムーズな家事動線です。
間取り例②:陽の光がたっぷり入る、南側に寝室を設けた家

こちらの延べ床面積24坪の間取りは2LDKとなっており、LDKに併設する形で南東側に6帖の寝室を設けました。
寝室は北側に配置するケースが多いですが、あえて南側に設置することで、日中の日当たりを確保できます。
年齢を重ねるほど身体の自由が効きづらくなる可能性が高く、ベッドの上で過ごす時間も長くなりがちです。
この点、南側に寝室を配置することで、日中の日差しを浴びたり外を眺めたりできる、より快適な空間を実現できます。
間取り例③:ゆとりを持った設計で毎日を快適に送れる家

こちらは延べ床面積27坪となっており、これまで紹介した間取り例よりもさらにゆとりのある設計です。
廊下や開口部も広めに設計することで、車椅子でもスムーズに移動できます。
寝室とトイレの距離が近くなるように配置し、夜間のアクセスもしやすくなっています。
洗面脱衣室は約6帖あり、室内干しをした状態でもゆとりがあります。
広々とした空間で生活したい方は、25坪前後の延べ床面積で平屋の間取りを考えるとよいでしょう。
この2LDKの間取りであれば、おひとり暮らしのゆとりはもちろん、将来的に趣味のスペースとして活用したり、お子さまやお孫さまが訪れた際のゲストルームとして利用したりと、多様なライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるメリットがあります。
以下の記事では、平屋の坪数はどの程度必要であるか詳しく解説しています。
延べ床面積別の間取り例も紹介しているので、あわせて参考にしてください。
【関連記事】平屋の平均坪数はどのくらい必要?広さ別の間取り例や施工事例も解説
間取り例④:動線を一直線に配置した家事効率の良い家

こちらは、延べ床面積20坪のコンパクトな平屋です。
玄関からLDK・水回り・寝室が一直線に配置されているため、効率良く移動できます。
水回りが集約されており、複数の家事を並行して進められる点がメリットです。
また、ランドリースペースは廊下を兼ねた設計になっているため、移動距離を最小限に抑えることができます。
洗濯物を干す・しまうといった一連の作業が最短距離で完結するため、わざわざ部屋を行き来する必要がなく、家事の負担を大幅に軽減できます。
コンパクトなだけでなく、動線設計にこだわった間取りとなっており、老後でも負担なく家事を進められるでしょう。
間取り例⑤:家の真ん中にLDKを配置した暮らしやすい家

こちらは、家の真ん中にLDKを配置した延べ床面積20坪の平屋です。
長い時間を過ごす空間のLDKが中心のため、各部屋への移動距離の短さがメリットといえます。
寝室をLDKの近くに配置できることから、将来の介護にも対応しやすくなります。
例えば、LDKから寝室や洗面所が近ければ、車椅子や歩行器を使う場合でも移動しやすい点が特徴です。
家の中心をLDKにした間取りは、身体的な変化により生活スタイルが変わっても、対応しやすい設計といえます。
一人暮らしに適したシニア向け平屋間取りの広さ目安
一人暮らしに適したシニア向け間取りの広さは、40㎡(約12.1坪)~55㎡(約16.6坪)が目安です。
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる単身に適した面積水準は40㎡〜55㎡といわれています。
ただし、将来、車椅子や歩行器を使用する可能性を考慮し、66.1㎡(約20.0坪)程度の広さにするのもよいでしょう。
広すぎると管理が大変で、狭すぎると生活に不便さを感じやすいため、生活スタイルや加齢に伴う身体的変化を考慮のうえ、無理のない広さを選ぶことが大切です。
引用元:国土交通省|国土交通白書 住生活基本計画における居住面積水準
※制度内容や数値は年度・月次ごとに更新されることがあります。
実際に活用・確認する際は、リンク先ページから該当期間の情報をご確認ください。
シニア世代が平屋を建てる際のポイント

シニア世代の方が平屋を建てる際は、以下5つのポイントを押さえておきましょう。
- 車椅子の利用を想定する
- 断熱性を高めて室内の温度差を小さくする
- 収納の位置・高さにこだわる
- プライバシーと防犯のバランスを取る
- 寝室の日当たりに配慮する
ポイント①:車椅子の利用を想定する
シニア世代の方が平屋を新築する場合は、車椅子の利用を想定することをおすすめします。
室内の段差はもちろん、駐車場から玄関までのアプローチ、玄関から室内への動線を含めてバリアフリーにすることで、毎日を安心して過ごせます。
ほかにも、以下のような工夫を取り入れると、車椅子での生活もしやすくなるのでおすすめです。
- 廊下を広めに確保する
- コンセントや照明スイッチの位置・高さにこだわる
- 扉は横開きの引き戸にする
空間全体にゆとりを持たせて、将来的な利便性を高めておくとよいでしょう。
ポイント②:断熱性を高めて室内の温度差を小さくする
平屋を新築する際は、断熱性や気密性など、住宅の快適性能を高めて室内の温度差を小さくしましょう。
シニア世代にとって特に気をつけたいのが、急な温度変化によって生じるヒートショックです。
ヒートショックによって、心疾患をはじめとする身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、断熱性が高く、年間を通して快適で室内の温度差が小さい家づくりが欠かせません。
ポイント③:収納の位置・高さにこだわる
車椅子の利用を想定して、収納の位置や高さにこだわると、将来的な暮らしやすさへつながります。
車椅子を使用した状態でも物の出し入れがしやすい高さや吊り戸棚を採用して足元の空間を広げたりすると、収納の使い勝手も高まります。
棚の位置を調整できる可動棚の設置や、奥行きが浅めな収納もおすすめです。
高い位置に配置しないだけでなく、かがんで物を出し入れしないで済むような収納を意識しましょう。
ポイント④:プライバシーと防犯のバランスを取る
平屋を建てる場合、プライバシーと防犯のバランスも重要なポイントです。
平屋はワンフロアで生活が完結するメリットがある一方、外からの視線が気になりやすい点はネックと言えます。
外部からの視線を遮る必要性がある一方、高さのある塀を設置したり植栽を植えたりすると、侵入者がむしろ隠れやすくなる可能性があるため注意が必要です。
そのため、全体的にはオープンな造りにしつつ、カーテンやシャッター、すりガラスや二重ガラスなどで視線を遮る工夫をすると、プライバシーと防犯のバランスが取りやすくなります。
ポイント⑤:寝室の日当たりに配慮する
シニア世代の方が平屋を建てる場合は、寝室の日当たりも意識するとよいでしょう。
年齢を重ねると身体を動かしづらくなることもあり、ベッドでの滞在時間や、将来的に介護が必要になった際の寝室での過ごし方が重要になります。
そのため、寝室を南側に設ける間取りもおすすめです。
横になったり座ったりした状態でも庭や外の景色が見えるよう窓を配置すると、寝室で過ごす時間がより快適になるでしょう。
シニア向け平屋の一人暮らし間取りアイデア

シニア向け平屋で一人暮らしをするにあたって、快適な暮らしを送れる間取りアイデアは、以下の3つです。
- ランドリールーム
- 土間収納
- 壁付けキッチン
アイデア①:ランドリールーム
ランドリールームでは、以下の洗濯家事を一室で行えます。
- 洗濯
- 干す
- しまう
- アイロンがけ
- 畳む
一連の動作を移動せず完結できるため、負担を減らして家事を進められる点がランドリールームのメリットです。
また、ランドリールームは室内に設けられており、天候や時間に左右されず自分のタイミングで洗濯できます。
洗濯物をまわりに見られる心配もないため、ランドリールームは防犯面においても一人暮らしのシニアにおすすめの間取りアイデアです。
ランドリールームを失敗しないコツが知りたい方は、こちらの記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】ランドリールームの失敗例5選!失敗しないコツと施工事例を紹介
アイデア②:土間収納
土間収納とは玄関に配置された収納スペースで、靴を履いたまま出入り可能です。
車椅子や歩行補助用品など、大きめの荷物も収納できるため、玄関をすっきり見せられます。
決まった場所にまとめておける点もメリットで、物を探す手間が減ります。
土間収納を設けることで、玄関に物を置く必要がなくなるため、通路を確保できる点もポイントです。
土間収納は転倒対策にもなり、シニア層が一人暮らしをするにあたって安全な生活を送る際におすすめの設備です。
土間収納のメリットとデメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【関連記事】玄関の土間収納は何が魅力?メリット・デメリットと3つの施工事例を解説
アイデア③:壁付けキッチン
壁付けキッチンでは、壁際にキッチンを設置するため通路幅を確保できます。
対面キッチンの場合、ぐるっと回って配膳する負担がかかります。
しかし、壁付けキッチンではキッチン近くにダイニングテーブルを配置することで、配膳の移動負担を軽減できる点がメリットです。
将来、車椅子で生活しなければならない場合でも、通路幅が確保されているため不便さを感じず生活できるでしょう。
シニア世代が一人暮らしで平屋に住むメリット・デメリット

シニア世代が一人暮らしで平屋に住むにあたり、メリットもあればデメリットもあります。
両者を踏まえて最適な住まいのあり方を考えてみてください。
シニア世代が一人暮らしで平屋に住むメリット
シニア世代が一人暮らしで平屋に住むメリットは以下のとおりです。
- シンプルな生活動線の中で暮らせる
- 無駄のない間取りを実現しやすい
- 寒暖差を抑えた快適な暮らしを実現しやすい
- 構造的に安定しやすく耐震性が高い
平屋の場合、二階建ての家に比べて空間に無駄が生まれにくく、必要十分な広さ・スペースで暮らしを完結できます。
上階もないので室内の温度を一定に保ちやすく、ヒートショックを防ぐ観点においてもメリットと言えます。
地震に対する備えとして、平屋のほうが構造的に安定しやすく、万が一の際にもワンフロアで移動できるため、避難もしやすく安心です。
シニア世代が一人暮らしで平屋に住むデメリット
シニア世代が一人暮らしで平屋に住むデメリットは以下のとおりです。
- 二階建ての家に比べて建築コストが割高になりやすい
- 広い土地が必要になる
- 水害時のリスクが相対的に高い
延べ床面積が同じ家を平屋と二階建てで建てる場合、平屋のほうが建築コストは割高になりやすいです。
関連して、平屋のほうが広い土地を用意する必要があり、駅からの距離が近いなど、利便性の高いエリアで平屋を建てるのは難しいケースもあります。
また、平屋の場合は上階がないため、水害が発生した際の逃げ場がない点には注意が必要です。
以下の記事では平屋の間取りを多数紹介しているので、あわせて参考にしてください。
【関連記事】平屋の実例集を間取り・外観・屋根の形・内装別に画像つきで解説
群馬県で平屋を建てるならタカトーホーム

タカトーホームは、群馬県を中心に多数の平屋の建築に携わってきました。
フルオーダー住宅の「RasiCras(ラシクラス)」やセミオーダータイプの「cocokara(ココカラ)」をはじめ、お客さまに合わせたさまざまな商品ラインナップをご用意しています。
「ottimo! VERDE(オッティモ ヴェルデ)」は、バリアフリーにも配慮したシニア向けの平屋プランです。
また、「ottimo! ROSA(ローザ)」は、動線にこだわっている間取り設計に加え、防犯面にも考慮しているため、安心と快適の両方を備えたプランになります。
コンパクトな家に住みたい方はもちろん、老後を見据えた住まいを検討している方にピッタリです。
まとめ:シニア向けの平屋一人暮らしの間取り例について

シニア世代の方が平屋を建てる際のポイントをおさらいしましょう。
- 車椅子の利用を想定する
- 断熱性を高めて室内の温度差を小さくする
- 収納の位置・高さにこだわる
- プライバシーと防犯のバランスを取る
- 寝室の日当たりに配慮する
シニア世代が一人暮らしで平屋に住むメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- シンプルな生活動線のなかで暮らせる
- 無駄のない間取りを実現しやすい
- 寒暖差を抑えた快適な暮らしを実現しやすい
- 構造的に安定しやすい造りで耐震性が高い
デメリット
- 二階建ての家に比べて建築コストが割高になりやすい
- 広い土地が必要になる
- 水害時のリスクが相対的に高い
平屋での一人暮らしは、生活動線をコンパクトにまとめやすいだけでなく、ワンフロアでバリアフリーに対応可能な所が大きなメリットです。
メリットだけでなくデメリットもあるため、本記事で紹介した間取り例も参考にしながら、理想の住まいを実現しましょう。
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