家づくりを進めていくうちに『無垢材フローリング』という言葉をよく耳にする方も多いのではないでしょうか?
お洒落で木のぬくもりを感じられる無垢材フローリングですが
- 「そもそも無垢材フローリングって何?」
- 「メリットデメリットとかあるの?」
- 「日頃のお手入れ方法やメンテナンスは?」
など分からないことがほとんどかと思います。
この記事では、無垢材の種類や過去の施工事例を踏まえながら、無垢材フローリングについて分かりやすく解説します。
無垢材を使ったフローリング(無垢床)とは?
無垢とは、純粋・純真・まじりけのない事を指し、人で例えるなら煩悩や汚れのない純真な人のことを言います。
床材でいうと、木の素材そのままを1枚の板に加工した床材を指します。
集成材や複合材のように木材を重ね合わせて作られた床材は、木材の断面を見ると継ぎ目があり、木の年輪方向も様々な方向に向いています。
対して、無垢材は1枚の材料を使用しているので、断面の年輪方向も同じ方向を向いています。
基本的には上記のような床材を『無垢』と定義していますが、価格的に高額になり、様々な色味を1枚の板に混在させた無垢材が採用されることも多々あります。
また1枚1枚に、天然木ならではの様々な特徴や性格があるのも大きなポイントとなります。
無垢材フローリングのメリット・デメリット
無垢材フローリングのメリット
メリット1
温かみのある、素足に心地良い感触
メリット2
経年変化を楽しめる
メリット3
調湿作用がある
メリット4
傷がついても修復しやすい
無垢材フローリングのデメリット
デメリット1
価格が高い
デメリット2
水に弱い、水拭きができない
デメリット3
目地に隙間が生じやすい
デメリット4
温度変化に弱い
無垢材フローリングのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】無垢材フローリングで後悔しないために、知っておきたいメリット・デメリット
無垢材フローリングの種類とその特徴
木材は、大きく「広葉樹」と「針葉樹」に分けられます。
【広葉樹】
葉が横方向に大きく茂っていくものが多いです。
広葉樹は、天然で自生しているものが多く、伐採できる数量に限りがあります。
さらに育成に時間がかかるため、比較的に高価なものが多いです。
また、育成に時間がかかる反面、硬い樹種が多く、家具材・建築材・楽器など用途が幅広いことも原材料価格に影響しています。
■広葉樹の木材
オークの無垢材フローリング
古くから床材として長く愛用されているオーク(ナラ)材。
数あるフローリング材の中でも人気とも言えるオーク材は、適度な硬さを持ち、家具や洋酒の樽にも使用されていることから、耐久性や擦り傷などが付きにくい機能性の高さにも定評があります。
また、天然木ならではの多様な木目の表情が美しいところも人気の1つです。
チークの無垢材フローリング
耐久性と加工性の高さから様々な用途で使用されているチーク材。
強度に優れていて、施工後の収縮が少なく、寸法安定性が高いという特徴があります。
また赤褐色の木目は濃く、味わい深い色合いに変化していくのも魅力です。
植林木か天然木によっても大きく変わりますが、広葉樹のフローリング材の価格帯の中でも高い部類に入ります。
メープルの無垢材フローリング
適度な硬さを持ち、割れや毛羽立ちが少ないことから高級無垢材の1つでもあるメープル(カエデ)材は表面のきめの細かさと美しい木目が魅力的です。
ウォールナットの無垢材フローリング
紫がかった暗褐色の深い色合いが1番の魅力なウォールナット(クルミ)材。
広葉樹の中でも暗色の樹木は少なく希少性が高いです。
また、木質は重厚でありながら加工性に優れ、衝撃にも強いためフローリング材以外にも、高級家具として使用されている人気の高い樹種と言われています。
【針葉樹】
葉が尖り、上方向に真っ直ぐと伸びていくものがほとんどです。
針葉樹は、植林による再生可能な資源として世界でも多く流通しています。
広葉樹と比較しますと、安定的な供給量が確保できるため、安価な傾向にあります。
主に建築資材として様々な用途で使用されています。
■針葉樹の木材
パインの無垢材フローリング
比較的柔らかい木材ですが、針葉樹の中では硬く油分を多く含むといった特徴のあるパイン(松)材。
フローリング材として世界中で広く使用されており、伐採国や地域によって材質や風合い、強度などが異なります。
杉の無垢材フローリング
日本を代表する樹木で保温性があり、柔らかい足触りも魅力的な杉材。
木目の美しさや節の有無などによって価格は大きく変化しますが、一般的には安価でお手頃のフローリング材と言えます。
無垢材フローリングの選び方
無垢材フローリングの選び方で迷う方も多いのではないでしょうか?
樹種・色柄・温もり・硬さなど、無垢材フローリングによって様々な特徴があり、価格もそれぞれです。
自分が無垢材フローリングに何を求めるかで選択肢や選び方が変わります。
あれもこれも全部叶えるということは難しいので、やはり最終的には好きな樹種や木目で選ぶというのが、長い目で見た時に住みやすさに繋がるように思います。
下記では、上記で述べた種類ごとに「こんな方に向いている」という内容をご紹介させていただきますので、参考にしてみてください。
オークが向いているケース
オーク材はフローリング材の中でも人気の樹種です。
見た目・耐久性・加工性にも優れているので、お子様のいるご家庭に最適です。
また、薄いブラウン色のオーク材はインテリアにも合わせやすく、飽きが来ない落ち着きある見た目も人気の1つです。
チークが向いているケース
木目が独特なのが特徴であり、無垢特有の収縮が少ないのも大きなメリットです。
月日が経つにつれて色味や光沢が変化しますので、変化を楽しみたい方に最適です。
長く使い込むことで色の深みが増していくのも、大きな魅力の1つと言われております。
メープルが向いているケース
色合いは乳白色で、内装に使用することで部屋が明るい印象になり、爽やかなイメージの内装にしたい方に最適です。
また、メープルは住むごとに黄味がかった飴色に変化し、経年変化を楽しむことができるので、家族と一緒に成熟していくような感慨深さがあります。
パインが向いているケース
白味と赤味が混在しておりナチュラルな色合いが魅力の材種となります。
メープル同様、年月につれて飴色に変化していきます。
柔らかく傷が付きやすいことや、変形や反りも起こりやすいと言えますが、肌触りが柔らかく、小さなお子様のいるご家庭や高齢の方に最適です。
杉が向いているケース
香りが特徴的でリラックス効果がある材種で有名です。
数ある樹木の中でも、美しさ・軽さ・加工しやすさがあり、杉材は経年により木目が濃くなり重厚感を出すことができ、様々なスタイルに合わせた演出が可能となります。
パイン同様、柔らかい部材なので傷には弱いですが、無垢材フローリングの中では比較的に安価な方なので、予算が気になる方にも最適です。
無垢材フローリングのお手入れ方法・メンテナンス
無垢材フローリングと聞くと、お手入れが大変そうと思われがちですが、難しいものではありません。
日々のお手入れ方法と、なぜ簡単なお手入れだけでいいのかを解説していきます。
□普段は基本的に掃除機と乾拭きでOK
□掃除用品(クイックルーワイパーなど)を使用する際は、ドライタイプを使用する。
※ウェットタイプには洗剤が含まれていることがあるため使用しない。
□落としたい汚れがある場合は、無垢床専用の洗剤を水に溶かして雑巾を固く絞りって水拭きをする(最後に乾拭きすると◎)
※塗料が落ちてしまう場合があるので、あまりゴシゴシと擦らない。
無垢材フローリングは本格的なメンテナンスをしなくても、生活していく中で自然と油分を補給します。
無垢材は、人の足の裏から出た皮脂で床に油分を補充しつつ、日々の生活を積み重ねていくことで、人工的な加工ではできないツヤや色合いを楽しむことができます。
無垢材が皮脂をオイル代わりに吸収してくれる為、夏でも床がベタつかず、水拭きをしなくても快適に過ごすことができます。
素材を活かした無垢材フローリングは過度なコーティングをしないので、傷や汚れ、変化する色合いを自然現象だと受け止めて「味がある」と考えれば、無垢材が変化していく様子も楽しめるでしょう。
※直射日光が当たりやすい場所などは無垢材フローリングの劣化が早まることがありますが、年に1度の大掃除の際に、専用オイルを乾いた雑巾などで擦り込むと、長く綺麗に保つことができます。
無垢床を取り入れた施工事例・インテリア事例
タカトーホームでは、主にオークの無垢材フローリングを採用しています。
【オイル仕上げ①】
オイル仕上げの無垢材フローリングを採用し、TVボード裏のアクセントウォールは複合フローリングのメープル材で床より少し濃いめのものを取り入れました。
天井の化粧梁もアクセントになり、ナチュラルながらも落ち着ける空間になっています。
【オイル仕上げ②】
無垢材フローリングと梁、勾配天井の板張りで木のぬくもりに包まれた広々リビングは、日差しがたくさん差し込む気持ちの良い空間です。
【ライトブラウン色①】
アメリカンヴィンテージな雰囲気に仕上げたリビングダイニングは所々にブラックを利かせてピリっと引き締めています。
キッチンを囲う壁は複合フローリングのメープル材を使用し、無垢材フローリングと色を合わせてすっきりとした印象に仕上げています。
【ライトブラウン色②】
温かみのあるオークの無垢床フローリングと、床の色に合わせたキッチンの腰板(メープル材の複合フローリング)が統一感のある空間にしました。
キッチンの背面にグレーの差し色を取り入れて遊び心を出し、ダイニングの折下げ天井と間接照明がLDKに広がりを持たせています。
【ブラック色】
落ち着きがありながらも勾配天井のあるLDKは開放感が味わえる気持ちの良い空間です。
キッチンの腰壁にも床と同じ無垢のオーク材を採用して、カッコよく引き締めています。
【古代色】
落ち着いた色味の無垢床フローリングを採用したリビングは、ソファを置かず広々と活用しています。
中庭と縁側に挟まれた空間はより広々と感じられます。素足で中庭にも縁側にも出たくなります。
まとめ
天然の木ならではの味わいや、年月を重ねて熟成する深みを感じられる無垢材。
作られ方によっても違いがあるフローリングですが、樹種によって、色・風合い・木目・堅さ・光沢・見栄え・肌ざわりなどそれぞれの木で特徴があり、まったく違った表情を見せてくれます。
無垢床フローリングは部屋の演出を大きく変える存在ですので、空間のイメージや好みに合わせて選ぶことは大事な家づくりのポイントであり、楽しみの1つです。
自分なりにトコトン無垢材と向き合って、ぜひお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
タカトーホームの家づくりについて詳しく知りたい方は、ぜひタカトーの家づくりをご覧ください。
またショールームでは、タカトーホームで使う設備や素材を、実際に見て・触って・体感していただくことができます。
ぜひお気軽にご来場ください。
\あわせて読みたい関連記事/
【関連記事】自然素材の家の魅力とは?メリット・デメリットまとめ