理想の家づくりを実現する上で、キッチンをどのように設計するか悩む人も多いでしょう。
従来型の家では壁付けタイプが採用されていることも多く、リビングに背を向ける格好になるなどして、家族とコミュニケーションが取りづらいと悩む人もいます。
そこで取り入れられているのが、対面型キッチンです。
この記事では、対面型キッチンのメリット・デメリットや、対面型キッチンを取り入れたレイアウト事例を解説しています。
どのような間取り・LDKにしようか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
対面型キッチンとは
対面型キッチンはオープンキッチンとも呼ばれ、リビングやダイニングと対面する形で料理の準備などができる、開放的なスタイルを指します。
一人で作業する際も視界が開けて開放的な気持ちになるだけでなく、家族や来客者とコミュニケーションをとることも可能です。
近年ではLDKを一続きの広い空間として確保し、それぞれをゆるく区切る間取りにする傾向にあります。
そのため、オープンキッチンを採用するケースも増えており、料理をしながら洗濯を回すなど、家事動線を意識した設計も人気です。
対面型キッチンのメリット3選
対面型キッチンのメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 家族や来客者とコミュニケーションをとりやすい
- ながら作業ができて開放感がある
- 配膳や片付けがしやすい
メリット①
家族や来客者とコミュニケーションをとりやすい
対面型キッチンはダイニングやリビングに視線が向く形で設置されるため、家族や来客者とコミュニケーションをとりやすい特徴があります。
壁付けのキッチンの場合は手元の作業に集中してしまいがちで、会話のキャッチボールがしづらいと言わざるを得ません。
この点、オープンなキッチンであれば、相手の顔を見ながら会話も楽しめるでしょう。
メリット②
ながら作業ができて開放感がある
対面型キッチンの場合、「料理しながら洗濯」などの”ながら作業”も可能です。
他にもオープンキッチンなら、下記のような”ながら作業”を実現できます。
- リビングや小上がり和室で遊ぶお子さまの様子を見ながら作業
- 窓からの景色を楽しみながら料理の準備
- パートナーとの会話を楽しみながら作業
また、オープンな空間になるおかげで、お子さまやパートナーが家事に参加しやすくなるのもメリットと言えるでしょう。
もちろん、壁に向かって作業をしないため、開放感のある空間で作業できることに魅力を感じる人も多いです。
【関連記事】平屋で3LDKの間取りを検討する際に、知っておきたい坪数の目安と間取り例
メリット③
配膳や片付けがしやすい
対面型キッチンにして空間的な広がり・余裕があると、配膳や片付けもしやすくなります。
キッチンとダイニングを直結させられるため、カウンター越しに料理を提供するだけでなく、片付けも楽ちんです。
さらに、キッチンの背面(壁面)に収納スペースを設置できるので、十分な収納力のおかげで片付けもしやすくなるでしょう。
対面型キッチンのデメリット3選
対面型キッチンには、メリットだけでなくデメリットもあります。
中でも、以下で紹介する3つのデメリットも踏まえた上で、対面型キッチンを採用するか慎重に検討しましょう。
- キッチンに一定の広さが必要になる
- 油や水がはねて掃除が面倒なことも
- 片付けていないと生活感が出る
デメリット①
キッチンに一定の広さが必要になる
対面型キッチンを採用するには、一定の広さを確保しなければなりません。
キッチンの横幅やレイアウトにもよりますが、一般的に、壁付けタイプよりも広い空間が必要になる点は注意が必要です。
特に、キッチンの各辺が壁に設置しない「アイランドキッチン」の場合、両側に通路を設ける必要がある分、広いスペースが必要になります。
そのため、対面型キッチンを採用する場合は、キッチンの短辺の一方が壁付けされた「ペニンシュラキッチン」がおすすめです。
家事動線を含めて、キッチンのどこに通路を設けて暮らしやすい間取りを設計するか意識しましょう。
デメリット②
油や水がはねて掃除が面倒なことも
対面型キッチンの場合、油や水が飛び散る可能性も考慮する必要があります。
コンロの手前に壁を設置したり、キッチンの手前を少し高さのあるカウンターにしたりすると、油や水が床にはねるのをある程度防げるでしょう。
デメリット③
片付けていないと生活感が出る
対面型キッチンの中でも、カウンターを設置しないオープンタイプの場合はキッチンの様子が丸見えです。
そのため、片付けが行き届いていないと生活感が出てしまうことも。
使い終えた食器や食器用洗剤、調味料のパッケージデザインなど、そのままにしておくと最初に決めたコンセプトが崩れる原因になりかねません。
リビングダイニングから見える部分が大きいからこそ、日頃の片付けや整理整頓には注意が必要です。
対面型キッチンのデメリットを解消する方法
対面型キッチンには、広さの確保やメンテナンス面に関するデメリットがあります。
これらを解決策として考えられるものは以下の通りです。
- ペニンシュラキッチンやL型の配置にする
- 立ち上がりのカウンター腰壁を設置する
- キッチンの壁に珪藻土などの消臭・脱臭素材を利用する
限られたスペースの有効活用という観点では、アイランドキッチンよりも一辺を壁に設置させたほうがコンパクトにまとまります。
また、油や水がはねないようにしたり、手元が見えないようにしたりするなら、カウンターを設けるのがおすすめです。
他にもニオイ対策をしたい方は、珪藻土などの消臭・脱臭を期待できる自然素材を壁紙に使用してもよいでしょう。
【関連記事】比較表付き|珪藻土と漆喰の違いを分かりやすく解説!
対面型キッチンを採用したレイアウト実例3選
ここでは、対面型キッチンを採用したレイアウトの実例を3つ紹介します。
- 生活動線にこだわった、家族全員が暮らしやすい温かみのある家
- 暮らしを謳歌するこだわり満載のペットと共に暮らす家
- 和の色彩に、開放感とこだわりをつめこんだ平屋の家
実例①
生活動線にこだわった、家族全員が暮らしやすい温かみのある家
こちらの間取りは、キッチンから見て左手にはダイニング、正面にリビング、右奥には小上がり和室を配置しました。
上の写真は、小上がりから撮影した1枚です。
キッチンを中心としたLDKで、配膳のしやすさはもちろん、ながらでテレビを見たり、小上がりで遊ぶお子さまの様子も確認できたりします。
キッチンの右手(奥)にはパントリーと洗面脱衣室があり、家事動線もバッチリです。
実例②
暮らしを謳歌するこだわり満載のペットと共に暮らす家
キッチン・ダイニング・リビングを一列に並べたこちらの間取り。
フラットなキッチンを採用しており、白黒のモノトーンデザインと相まってとてもスタイリッシュでスッキリした印象です。
やや奥行きのあるキッチンを選択したことで、配膳や準備がしやすいのもポイント。
キッチンからはリビングに向かって開放的な眺めを楽しめるだけでなく、埋め込み水槽を眺められるこだわりが詰まっています。
キッチンに併設するパントリーには、冷蔵庫やキッチン家電をまるっと収納できます。
そのおかげで、キッチン周りがとてもスッキリした印象をキープできています。
実例③
和の色彩に、開放感とこだわりをつめこんだ平屋の家
対面式のフラットタイプなキッチンを採用したこちらの間取りでは、コンロの手前に透明なボードを立てて油はね対策を施しました。
ダイニングとリビングが一続きになっているため、キッチンにいても家族の様子を見守ったり、会話を遮ることなく作業できます。
キッチンの後方に洗面脱衣室を設置し、家事を楽にできる動線も実現。
冷蔵庫の前に扉を設置して、生活感が出ない工夫も取り入れました。
まとめ
対面型キッチンを取り入れて理想の住まいを実現
対面型キッチンは開放的な空間で家族とのコミュニケーションが取りやすく、ながら作業や配膳などもしやすいため、採用する人が増えています。
一方で、ある程度の広さを確保する必要があり、油や水はね・ニオイ対策・生活感を出さない工夫を凝らすことが大切です。
本記事で紹介した3つの施工事例は、いずれもデメリットを感じさせず、素敵なキッチンを実現しています。
これらも参考に、ご自身の家づくり・間取りのイメージをより具体化させていきましょう。
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